この世と浄土は違いがあります。人間の心がこれを双方関係として捉えています。
仏教の世界観は縁起であり、この縁起の世界の基本は双方関係です。物事は、双方という形で関係性を持ち進化します。
最初は2分化により双方関係が生まれたと思います。生と死、男と女、慈悲と知恵のように2分化することにより双方関係が生じます。
次に一つのものをその視点を変えることにより双方関係が生じ関係性が表現されます。存在と流れという捉え方は一つのものを表裏の視点により生まれた双方関係であり、名詞、動詞として言葉が生まれていきます。
存在の世界から合理性が生まれ、流れの世界には視点としての八正道が生まれます。
2分化による双方関係は自然と生命(生命活動)において進化による本能を生み出し、表裏の視点により生まれた双方関係は人間においては文化を生み出したと思います。
この文化を支えているものは希望(願い)であります。自然と生命の間に生じる生命活動にはそこで獲得した本能によりこの世と神々との間には距離は生まれません。
また文化は人々の願いにより生まれるものであり浄土(仏の世界)とこの世に、人間はその違いを双方関係として心の中に捉えることにより文化を獲得したと思います。
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