法然上人の「ただ一向に念仏すべし」は一人一人の人間のために考え抜かれた言葉であると思う。
亡くなられた方に対して先祖供養(納骨、位牌、年回忌等の回向、盆など)を勤めるのは、かつてその人がこの世で人間との間に生じる功徳の中で人生を送り、子孫につながっていることによる。
かつて生じた功徳がこの世に影響を与え続けていると言える。先祖が浄土にいるものとしてその一定期間(年回忌)、先祖への回向により生じる功徳が浄土にその影響を与える。
回向によりこの世の子孫と浄土の先祖が双方関係となり功徳が生じる。しかしこの世で生じる功徳の中で人生を送ることのない孩子の間に功徳が生じることはなく、母親の手からそのまま御仏の手に抱かれる。
したがって孩子への先祖供養は勤めず「檀信徒一切霊」の位牌にまつり盆、正月、春秋彼岸の各法要にて供養する。
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